hwakのトリビアルな雑記集

初めまして、個人研究者のhwakです。個人的に量子アルゴリズムの研究をしております。

量子位相推定・位相からの固有値計算

今回は、量子位相推定において、位相から固有値を計算する方法でそれらを計算した結果を示します。

 

量子位相推定とその注意点 by Hikaru Wakaura 」の方では、Variational Quantum Eigensolver(VQE)法と同様に、固有状態でハミルトニアンを挟んでこれらを計算していました。

 

今回は量子位相推定の初期状態はVQE法で求めた基底状態として、ハミルトニアンの回路深さは1としました。今回は水素分子におけるSTO-3G基底におけるハミルトニアンを使用し、水素原子間距離0.1(Å)の値のみを利用しました。また、今回もアンシラビット数は10、それの観測回数は16回としました。その結果を図1に示します。基底状態を初期状態として、企画課と定数シフトをしたにもかかわらず、初期状態は観測されませんでした。しかしながら、三重項状態、一重項状態、二電子励起状態は所定の精度(厳密解との差は0.01以内)で計算することができました。しかしながら、位相から固有エネルギーを計算する方法は事前に最大、最小値を計算しなければできません。未知系においては、最初に量子位相推定でいきなりエネルギーを計算することは出来ないということです。更に、その求めた値における精度次第では、量子位相推定における最大精度が決まってしまいます。なので、VQEなどほかの手法も残ると考えられます。

図1 水素分子の原子間距離0.1(Å)における計算された結果と厳密解。

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