hwakのトリビアルな雑記集

初めまして、個人研究者のhwakです。個人的に量子アルゴリズムの研究をしております。

量子シミュレーションの基礎2。

今回は、前回に引き続きラビ振動のシミュレーションを行います。今回は位相を持った重ね合わせ状態の作り方を毎説します。 これは照射するレーザーに位相を持たせるだけで実現します。それを$\alpha$とすると、前回における式(3)が、

\begin{eqnarray} E\left( \begin{array}{cc} 0&e^{-i/\hbar(E_1-E_0)t}cos(\omega t + \alpha) \mu{01} \ e^{i/\hbar(E_1-E_0)t}cos(\omega t + \alpha) \mu{01}^* & 0 \ \end{array} \right)=i\hbar\textbf{b}'(t) -(3) \end{eqnarray}

となります。同様に回転波近似します。その結果が次式です。

\begin{eqnarray} \frac{1}{2}E\left( \begin{array}{cc} 0&e^{-i\alpha}\mu{01} \ e^{i\alpha}\mu{01}^* & 0 \ \end{array} \right)=i\hbar\textbf{b}'(t) -(4) \end{eqnarray}

これを解いて、係数の時間発展は次のようになります。

\begin{eqnarray} b_0(t)&=&cos\frac{E \mid \mu{01} \mid}{2\hbar}t \ b_1(t)&=&e^{-i\alpha}sin\frac{E \mid \mu{01} \mid}{2\hbar}t \ -(5) \end{eqnarray}

ここから、ラビ振動の照射時間とその位相は次の行列に相当することがわかります。

\begin{eqnarray} R(\theta, \alpha)=\left(\begin{array}{cc}

cos2\pi t/T&e^{i\alpha}sin2\pi/T t \ e^{i\alpha}sin2\pi/T t&cos2\pi t/T \

\end{array}\end{eqnarray}

この変換を組み合わせて各種量子ゲートは実装されています 。 今回、blueqatにおいてショットノイズを実装してわかったことがあります。bkueqatはノイズ周りはほとんどバックエンドだよりで独自のノイズシミュレーションが全く実装されていないということです。ノイズのシミュレーションは量子計算のシミュレーションをするうえで避けては通れない過程です。実機における計算の回数は無料利用枠が設定されてウィル化、従量課金制です。そのため、無料で実機の計算を再現する機能はあってほしいというのが本音です。ショットノイズだけでは実機におけるノイズを再現するには不十分であり、相互作用ノイズ、フリップ、位相シフトなど、細かく設定してノイズをシミュレーションする機能の実装をこの場を借りて求めます。

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